AIでホームページを作成するときの注意点|問い合わせにつながる設計の考え方
AIツールを使えば、デザインの知識がなくてもきれいなホームページが数時間で完成します。「試しにAIで作ってみた」という会社が増えています。しかし同時に「サイトはできたのに問い合わせが来ない」という声も急増しています。原因はデザインの質ではありません。AIでホームページを作成するときに見落とされる注意点は、見た目ではなく「問い合わせまでの流れを設計すること」です。導線設計・情報の絞り方・WEB集客全体の設計という、AIには代替できない3つの要素について、制作会社の現場から解説します。
AIでホームページを作っても問い合わせが来ない3つの理由

AIでホームページを作っても問い合わせが来ない背景には、3つの構造的な理由があります。どれもデザインの問題ではなく、設計の問題です。
理由1:ページは存在するが「次に何をすればいいか」が伝わっていない
AIは「サービスを紹介するページ」を作ることは得意です。しかし「読んだ人が次に何をするか」を設計するには、そのビジネスの購買プロセスを理解していなければなりません。
たとえば建設会社のサイトで「施工事例を見た人が次に見積もりページに移動する」という流れは、AIには自動で作れません。各ページの終わりに「次はここへ」という誘導文とボタンを意図的に置くのは、人間の設計が必要な作業です。
AIが生成したページをそのまま並べると、読者はサービスを読み終えたあと「次に何をすればいいか」がわからず、メニューに戻るかブラウザを閉じます。これが「問い合わせフォームが存在するのにゼロ件」という状態の正体です。
理由2:全ページが汎用的な表現になり、会社の個性が消える
AIが生成する文章は、どの会社にも使える表現になりがちです。「丁寧な対応」「高品質なサービス」「お客様第一」——これらは読者が最も見飽きているフレーズです。
問い合わせをする前に「この会社に頼んで大丈夫か」を確認しようとする読者にとって、どこにでも書いてある言葉は判断材料になりません。自社の具体的な実績・制作物・現場の写真がなければ、サイトがきれいでも信頼感は生まれません。
これはAI生成の均質化問題です。同じツールを使った会社のサイトは表現がよく似るため、競合との差が付きにくくなります。
理由3:作ること自体が目的になってしまう
「とりあえずAIで作ってみた」というサイトには、「このサイトは誰のために・何のためにあるか」という設計思想がありません。問い合わせ数を増やしたいのか、採用を強化したいのか、既存顧客への情報発信が主なのかによって、サイトの構造は根本的に変わります。
目的がないままAIで作ると、情報は並んでいるけれど読者が「なぜここに来たか」を3秒で忘れてしまうサイトができあがります。これはAIの問題ではなく、使い方の設計が抜けていることの問題です。
AI生成サイトで頻出する導線設計の3つのミス

「導線」とは、読者がサイトに訪れてから問い合わせをするまでの経路のことです。AIはページ単体を作ることは得意ですが、読者がどのページからどの順番で進むかを意識した設計は自動では行いません。
ミス1:すべてのページからトップページに戻る設計
AIが生成するナビゲーションは、多くの場合「トップ・会社情報・サービス・お問い合わせ」という並びになります。しかしこの設計では、サービスページを読み終えた読者が次に何をすべきかわかりません。
実際の購買行動では「サービスを確認 → 事例を見て納得 → 費用感を確認 → 問い合わせ」という順番をたどることが多いです。この流れを作るには、各ページの下部に「次に見てほしいページへのリンク」を意図的に置く必要があります。AIが生成したページには、こうした「ページ内の末尾誘導」が抜けていることがほとんどです。
ミス2:問い合わせページが孤立している
AIで作ったサイトでは、問い合わせページが「メニューに存在するだけ」の状態になっていることが多いです。読者が問い合わせをする直前には「この会社に頼んで本当に大丈夫か」という最後の確認行動があります。
問い合わせページの直前ページで「返信にかかる時間」「対応の流れ」「よくある質問」を伝えられていないと、フォームを目前にして離脱が起きます。フォームページ単体でなく、直前ページをセットで設計することが重要です。問い合わせフォームで離脱が多い場合、そのほとんどは直前ページの情報不足が原因です。
ミス3:スマートフォンでボタンが押しにくい
AIが生成したデザインでは、ボタンサイズがスマートフォンに最適化されていないことがあります。問い合わせボタンの推奨サイズは最低44×44pxで、ページ内に1〜2か所が基本です。
AIが生成したまま公開してしまうと、ボタンが小さすぎてタップしにくい、ページ内に問い合わせボタンがない、問い合わせフォームにたどり着けないという状態が生まれます。スマートフォンで実際に操作して確認することは、AIには代替できない確認作業です。
情報を絞れないと問い合わせ動線が消える

AIに「サービスについて書いて」と指示すると、詳細な説明を10〜15段落で生成します。これをそのままページに貼り付けると、ページが長くなりすぎて読者が途中で離脱します。
情報量が多いと「何を伝えたいか」が埋もれる
中小企業のホームページで一番やってはいけないのは「とにかく全部書く」ことです。会社のこだわり・強み・実績・メッセージ・お客様の声——これらをすべて1ページに詰め込むと、読者は何も印象に残らないまま帰ります。
ファーストビュー(ページを開いた最初の画面)に書くべきことは基本的に1つだけです。「この会社はこういう悩みを持つ会社に向けてこれを提供している」という核心を、簡潔なキャッチコピーで伝える。それだけで問い合わせ率は大きく変わります。ファーストビューで何を伝えるべきかの具体的な改善方法も参考にしてください。
ファーストビューに3つも4つも訴求ポイントを並べると、読者は「どれが一番大事なのか」を判断できず、スクロールをやめます。AIが「全部入れよう」とする傾向に対して、人間が「どれを残すか」を判断する役割が必要です。
情報を削ることへの怖さは正常だが、削ることが正解
「これも書かないと伝わらないかもしれない」と感じるのは自然です。しかし読者の視点では、情報が多すぎるページは「何が重要かわからない」と感じさせます。
目安として、1ページの本文は1,200〜1,800字程度を意識してください。それ以上書きたい内容があるなら、別ページにまとめて内部リンクでつなぐほうが読者には親切です。
AIが生成した文章は「全部書いてくれる」という点が便利である反面、情報を取捨選択する判断はAIには委ねられません。「読者が問い合わせに至るまでに何を知る必要があるか」を逆算して、不要な情報を削ることが人間の仕事です。
「伝えたい情報」と「読者が知りたい情報」はずれている
「うちの会社の歴史」「社長のメッセージ」「会社理念」——これらは会社にとって大切な情報ですが、問い合わせ前の読者が最初に求めている情報ではありません。読者が最初に確認したいのは「自分の悩みを解決できるか」という1点です。
この順番を間違えて、会社の自己紹介を最初に置いてしまうと、読者はスクロールをやめます。AIに指示を出す前に「読者が最初に知りたいことは何か」を明確にすることが、AI活用の前段階に必要な作業です。
AIが作れない「問い合わせしたくなる心理設計」

問い合わせをするという行動は、読者にとって心理的なハードルが高い行動です。「返信が来なかったらどうしよう」「しつこく営業されたら困る」「断りにくくなるかもしれない」という不安を感じている状態でフォームを見ています。問い合わせフォームで離脱が多い原因とその改善方法については別記事でも詳しく解説しています。
問い合わせ前の不安を解消する情報をページに置く
問い合わせフォームの近くに「返信は営業日2日以内にお送りします」「まずは無料のご相談から承ります」「売り込みはしません」という一文を置くだけで、フォームの入力率は大きく変わります。
AIで作ったサイトには、こうした「読者の不安を先読みした一文」が抜けていることがほとんどです。AIは情報を提示することは得意ですが、読者が感じている心理的な障壁を想像して文章を置くことは苦手です。
この視点は「フォームの使いやすさ」とは別の問題です。フォームがきれいに作られていても、直前に不安を解消する情報がなければ、読者はフォームを目の前にして引き返します。
顔写真と担当者の名前が信頼を作る
BtoB、特に中小企業への発注では「誰が対応するか」が判断材料になります。担当者の顔写真・名前・一言コメントをフォームページか直前のページに置くと、読者が「この人に連絡する」という具体的なイメージを持てます。
AIはこの情報を自動で生成することはできません。実際の担当者の写真を撮影して掲載することは、AIに代替できない信頼設計の一つです。デザインパルカでは、こうした人間的な信頼設計の観点も含めてホームページ制作の相談を受け付けています。
返信速度の明記がコンバージョンに直結する
複数社に同時問い合わせをする読者は、最初に返信をくれた会社を心理的に有利だと感じます。返信速度の目安をページに書いておくことで、問い合わせ前の不安を下げると同時に、最初の返信を素早く行う社内習慣を作るきっかけにもなります。
「問い合わせを受けた後に何が起きるか」を丁寧に説明することは、そのビジネスの実情を知っている人間だけが書ける情報です。AIが生成した汎用的な「お問い合わせください」という一行では、こうした信頼形成はできません。
ホームページだけでなくWEB集客全体を設計する

AIでホームページを作ることへのハードルが下がった結果、「サイトを作れば集客できる」という誤解が広まっています。しかしホームページは集客の入口の一つであり、それだけで完結するものではありません。ホームページへのアクセスを増やすための現実的な方法を理解した上で、サイトの位置づけを整理することが重要です。
SNS・広告・LPはホームページとセットで設計する
検索からホームページに来る読者、Instagramの投稿から来る読者、Google広告のLPから来る読者では、すでに持っている情報量と温度感がまったく違います。同じホームページのトップページに全員を送り込むと、情報のミスマッチが起きます。
SNSから来た読者には「詳しくはこちら」とホームページの特定ページへ誘導する。広告から来た読者には、サービスの詳細だけを絞ったLPへ誘導する。この使い分けをせずにAIでサイトだけを作っても、各チャネルの投資効果は最大化されません。
「集客の流れ」を先に設計してからサイトを作る
どのチャネルでどんな読者に出会い、どのページへ誘導して、何を伝え、どのような行動(問い合わせ・資料請求・電話)を起こしてもらうか——この流れを先に設計してからホームページを作ることが正しい順番です。
AIでホームページを作る前に決めるべきことは「デザインのイメージ」ではなく「誰が・どこから来て・どんな行動を取るか」というユーザーの動線です。この設計を省いてAIでサイトを作っても、出来上がったのは「あるだけのサイト」になります。
「サイトを作って終わり」では集客は動かない
ホームページは公開してからが本番です。検索順位が上がるまでには6か月〜1年かかります。その間にコンテンツを継続的に更新し、SNSからの流入を作り、Googleビジネスプロフィールを整える。こうした継続的な運用をセットで設計していない場合、どれだけきれいなサイトを作っても集客の効果は出ません。
AIでの作成は「ホームページを持つこと」にかかるコストを下げます。しかし「集客できるホームページを運用すること」にかかるコストは、AIで削ることはできません。公開後の運用体制を最初の設計に含めているかどうかが、AIで作ったサイトと集客できるサイトを分ける一線です。
まとめ|AIでホームページを作る前に決める3つのこと

AIによるホームページ作成は、制作のスピードとコストを大きく下げます。ただしそれは「きれいなサイトを作るコスト」が下がっただけです。「問い合わせにつながるサイトを作るコスト」の本質的な部分は変わっていません。
AIは「デザインを整えること」と「文章を量産すること」が得意です。しかし「誰に・何を・どの順番で伝えるか」「読者の不安を解消するために何を書くか」「集客全体のどこにサイトを位置づけるか」は、そのビジネスを理解した人間が設計する必要があります。
- 導線を設計する: 読者がサイトに来てから問い合わせをするまでの経路を、ページごとに意図的に設計する。各ページの終わりに次のページへの誘導を必ず置く。問い合わせフォームは直前ページとセットで整える。
- 情報を絞る: AIが生成した文章をそのまま使わず、読者が問い合わせに至るために必要な情報だけを選ぶ。ファーストビューは1メッセージに絞り、それ以外は別ページへ。
- 集客全体を設計する: ホームページ単体ではなく、SNS・広告・LPとどうつなぐかを先に決めてから作る。公開後の継続運用も最初の計画に含め、「作って終わり」にしない。
AIの力を借りてサイトを作ること自体は合理的な選択です。ただし「見た目を整えること」はAIに任せて、「誰に・何を・どの順番で伝えるか」という設計は人間がやる——この役割分担ができているかどうかが、問い合わせが来るサイトと来ないサイトを分ける本質的な違いです。
デザインパルカでは、現在のサイトの状態を診断し、問い合わせにつながる改善の優先順位をご提案しています。AIで作ったサイトへのセカンドオピニオンとしてもご利用ください。








