2026.08.22 お役立ちコラム

中小企業のキャッチコピーの作り方|「いい会社です」では伝わらない理由と3ステップ

自社のホームページに「丁寧な仕事をします」「地域密着で対応します」と書いていないでしょうか。担当者の方が誠実な想いを込めた言葉だということは分かります。ただ、ほぼ同じ言葉を使っている会社が、あなたの競合サイトにも並んでいます。検索で複数社を見比べている人が「この会社を選ぼう」と判断する言葉には、なりにくいのです。

キャッチコピーの本質は、「誰の、どんな悩みに、自社はどう応えるか」を一行で伝えることです。強みはすでに自社の日常の仕事の中にあります。問題は、それを言語化できていないことがほとんどです。この記事では、制作現場で見てきた「選ばれるコピー」と「スルーされるコピー」の違いを具体的に整理し、強みを掘り出して言語化する3つのステップをお伝えします。

「丁寧な仕事をします」が選ばれない理由

「丁寧」「誠実」「地域密着」など汎用的な言葉が並んだ比較サイトのイメージ

結論から言います。「丁寧」「誠実」「地域密着」という言葉は、差別化のコピーとして機能しません。理由は単純で、「丁寧でない会社」「誠実でない会社」は、そもそも最初から候補に入らないからです。つまり、これらは選ばれるための言葉ではなく、「最低限の前提」にすぎません。

検索で複数社を比べている人は、同じ画面に3〜5社のホームページを並べています。それぞれのトップページを5〜10秒で流し見して、「自分の悩みに応えてくれそうか」を判断します。その短い時間に「丁寧な仕事をします」が目に入っても、隣の会社も同じことを言っているなら、記憶に残りません。

では、どんな言葉が記憶に残るかというと、「自分の悩みを言語化してくれている言葉」です。たとえば「初めてホームページを作る会社の経営者向けに、準備から公開後の運用まで伴走します」というコピーは、35文字ですが「ターゲット・悩みのシーン・解決の中身」が全部入っています。「丁寧に作ります」という15文字の言葉より、はるかに多くの情報を届けられます。

「いい会社」という印象は、コピーの言葉ではなく、具体的な実績・事例・お客様の声・仕事の進め方といった「証拠」から生まれます。コピーの役割は「この会社は私向けだ」と判断させることであり、「いい会社だ」と褒めてもらうことではありません。

キャッチコピーの作り方|強みを言語化する3ステップ

ホワイトボードに自社の強みを書き出してキャッチコピーを考えるブレインストーミングの様子

キャッチコピーを作る前に、まず強みを「掘り出す」作業が必要です。多くの会社がここを飛ばして「どんなコピーがカッコいいか」から考え始めるので、結果として抽象的な言葉になります。以下の3ステップで進めると、具体的な言語化ができます。

ステップ1:既存のお客様に「なぜ選んだか」を直接聞く

自社の強みを一番よく知っているのは、すでに取引しているお客様です。「他社と迷いましたか」「うちを選んだ決め手は何でしたか」「想定と違ったことはありましたか」の3問だけで構いません。その答えの中に、自社が当たり前と思って言語化していなかった強みが必ず出てきます。「対応が速かった」「見積もりが分かりやすかった」「打ち合わせで余計なことを聞かれなかった」——これらは、競合サイトのどこにも書かれていないことかもしれません。

ステップ2:競合10社のコピーを書き出し、誰も言っていないことを探す

Google で同業他社を検索し、トップページのメインコピーを10社分書き出してください。30分あればできます。並べてみると、「デザイン×集客」「地域密着」「スピード対応」など似た言葉が集中しているゾーンと、誰も言っていない空白地帯が見えてきます。その空白地帯こそが、自社が主張できるポジションです。競合サイトの調べ方を体系的に学びたい場合は競合サイト・ホームページの調べ方も参考になります。

ステップ3:「誰の、どんな悩みに、どう応えるか」の型に当てはめる

ステップ1で得た言葉と、ステップ2で見つけた空白地帯を組み合わせて、まず長い文を作ります。「〇〇な方(ターゲット)が、△△で困っているとき(悩み)、□□という方法で(手段)、◇◇という結果を出します(ゴール)」という型です。長くてもよいので、この4要素を全部入れて書いてみてください。それを削って短くしていくと、キャッチコピーになります。削る基準は「なくても意味が通る言葉を落とす」だけです。

長いコピーを短くする手順の例

最初に作った長い文: 「初めてホームページを作る中小企業の経営者が、何から決めれば良いか分からないとき、打ち合わせの段階から公開後の運用まで一緒に考えます」 ↓ 不要な語を削る 「初めてのホームページ制作、何から決めるか分からない方へ|準備から運用まで伴走します」 ↓ 声に出して10秒で言い切れるかを確認する 「初めてのホームページ制作を、準備から運用まで一緒に設計します」(28文字)

完璧な1本に仕上げようとしなくてよいです。3〜5パターンを書き並べて、既存のお客様や信頼できる社外の方に「何をしてくれる会社か、すぐ分かりますか」と聞いてみてください。「うーん、よく分からない」という反応が出たら、まだ絞り込みが足りないサインです。

ホームページのファーストビューコピーは「テレビCM」と別物

スマートフォンでホームページのトップページを見ている手元の写真

ここは上位記事にほとんど書かれていない論点です。キャッチコピーの作り方を解説しているページの多くは、テレビCMや商品パッケージのコピーも含めて説明しています。しかし、ホームページのトップページに載せるコピーは、それらとは根本的に違います。

テレビCMは「まだ探していない人」に向けて流します。商品パッケージは「棚の前で初めて手に取る人」に見せます。一方、ホームページのファーストビューに来る人は、「すでに検索して、何かを探している状態」です。

これは大きな違いです。テレビCMなら「心に残るブランドイメージ」を伝えれば効果があります。しかし検索経由で来た人は、ファーストビューのコピーを見て「このページは自分の探しているものか」を0.5秒で判断します。判断できなければ、すぐ離脱してほかのサイトへ行きます。

だから、ホームページのファーストビューには、「自分たちの会社の世界観」よりも「訪問者の悩みを言語化した言葉」を先に置く方が効果的です。ホームページのファーストビュー改善についても合わせて読むと、コピーとビジュアルの組み合わせ方が整理できます。「集客できるホームページを作ります」より「ホームページはあるのに問い合わせが来ない——その理由を、制作の現場から説明します」の方が、検索で来た人の心に刺さります。読者は「そうそう、そこが悩みだった」と感じ、続きを読む理由が生まれます。

また、スマートフォンからの閲覧では、ファーストビューに入る文字数が限られます。長い文章は表示されません。「誰に向けて」「どんな状態に」をギュッと絞り込んだ一文が、ファーストビューの最短のコピーとして機能します。

中小企業のキャッチコピーに共通する3つのパターン

ノートにキャッチコピーのパターンを書き出している中小企業の担当者のイメージ

実際にホームページを制作・改善してきた現場から見ると、「問い合わせにつながっているコピー」にはいくつかの共通パターンがあります。中小企業の場合、次の3パターンが特に有効です。

パターン1:「誰に向けて」を明示する(ターゲット先出し型)

「建設業の経営者の方へ」「初めてホームページを作る中小企業向け」——冒頭でターゲットを名指しするパターンです。読んだ人が「自分のことだ」と感じると、そこから先を読む確率が上がります。全員に向けた言葉は、誰にも刺さりません。ターゲットを絞り込む勇気が、結果的に届く人を増やします。

パターン2:「悩みを先に言語化」してから解決を示す(共感型)

「問い合わせが来ない、リニューアルすべきか分からない——その判断、ホームページを作る前にできます」のように、読者が抱えている悩みの言葉を先に置くパターンです。「あ、自分のことを分かってくれている」という感覚が生まれると、その後の提案を受け取りやすくなります。

パターン3:「なぜ自社か」の理由を一言添える(根拠型)

「制作実績〇件」「平均返信時間〇時間」など、具体的な数字を一言添えるパターンです。ただし数字は捏造しないことが絶対条件です。数字が出せない場合は「デザインだけでなく、集客導線まで一緒に設計する」のように、仕事の進め方の特徴を書くと「なぜ自社か」の根拠になります。

3パターンは組み合わせて使うこともできます。「飲食店のオーナー様へ(パターン1)、SNS集客だけでは限界を感じていませんか(パターン2)、ホームページと組み合わせた集客設計をご提案します(パターン3)」のように、ターゲット+共感+根拠の流れで構成すると、一文で伝える情報量が増えます。ただし詰め込みすぎると読みにくくなるので、声に出して10秒以内に言い切れるかを確認してください。

3パターンのどれが自社に合うかは、お客様ヒアリングの内容と、競合の空白地帯の分析から決まります。最初から1つに絞る必要はありません。パターン2の共感型と、パターン3の根拠型を組み合わせて使うこともできます。

ホームページ制作を発注する前にコピーを決めておくべき理由

ホームページ制作の打ち合わせ前にキャッチコピーを書き出したメモを見ているクライアントのイメージ

「キャッチコピーは制作会社に一緒に考えてもらえばいい」と思っていませんか。それ自体は悪いことではありません。ただ、発注する前に自社内でコピーの方向性を整理しておかないと、制作が迷走しやすくなります。

ホームページのデザインも、構成(どのページに何を載せるか)も、「何を誰に伝えるか」から逆算して決まります。メインコピーが空白のまま制作に入ると、デザイナーは仮のテキストで作業を進めます。制作途中でコピーが変わると、そこに合わせてレイアウトが変わり、写真の配置が変わり、ボタンの位置が変わります。修正が何度も発生し、制作期間が延びます。費用も追加になることがあります。

実際の現場でよく起きるのが、「制作が8割終わった段階でキャッチコピーを再考し始め、ファーストビュー全体を作り直す」という展開です。これを防ぐには、発注前に次の3点を自社内で決めておくことが有効です。

  1. ターゲット(誰に来てほしいか)
  2. 悩みのシーン(その人がどんな状態のときに検索してくるか)
  3. 自社の答え(その悩みに対して、自社はどう応えるか)

この3点が言語化されていれば、制作会社との打ち合わせで「どんなコピーを試すか」の議論がすぐに始められます。

逆に、この3点が決まっていないまま「おしゃれなデザインで」とだけ伝えると、デザイナーは情報の優先順位を判断できません。結果として「万人向けに見えるが誰にも刺さらない」サイトが仕上がることがあります。これは制作会社の問題ではなく、出発点の情報が不足していたことが原因です。

「ターゲット・悩みのシーン・自社の答え」の3点セットは、箇条書きでA4用紙1枚に書けば十分です。完成度より「方向性が決まっている」状態にあることが重要です。これを持って打ち合わせに臨むと、制作会社側も提案の精度が上がり、戻し修正が減ります。たとえ完成したコピーが変わっても、「方向性のズレ」が起きにくくなります。コピーは1本に決め打ちしなくていいので、「ターゲット・悩みのシーン・自社の答え」の3点セットを箇条書きにしてメモするだけで準備になります。

デザインパルカでは、制作開始前のヒアリングの中でこの3点を一緒に整理することを大切にしています。コピーが固まる前に着手しないのは、手戻りを防ぐためであり、完成したサイトが集客に機能するためです。

まとめ|キャッチコピーは「作るもの」ではなく「掘り出すもの」

ノートと付箋紙を使ってキャッチコピーのアイデアをまとめているビジネスパーソンのイメージ

「いい会社です」という言葉が選ばれないのは、その会社が良くないからではありません。同じ言葉を使っている競合が並んでいるからです。キャッチコピーの目的は「自分たちを褒める」ことではなく、「読んだ人が自分向けだと判断できる情報を渡す」ことです。

強みは、すでに自社の日常の仕事の中にあります。お客様が選んだ理由・競合が言っていない空白地帯・自社の仕事の進め方の特徴——この3つの交差点に、言語化すべきコピーが眠っています。デザインに投資する中小企業のブランディングの視点から自社の強みを整理すると、コピーの方向性がさらに明確になります。

ホームページのファーストビューに載せるコピーは、テレビCMや看板の言葉とは別物です。検索で来た人は「すでに何かを探している状態」にあります。その人に「このページは自分向けだ」と判断させることが、ファーストビューコピーの唯一の仕事です。

制作会社に発注する前に、ターゲット・悩みのシーン・自社の答えの3点を整理しておくと、制作の迷走を防ぎ、完成後の結果にも直結します。

  1. 「丁寧・誠実・地域密着」は差別化コピーにならない——それらは最低限の前提であり、競合も同じことを言っている
  2. 強みは「お客様ヒアリング」「競合10社の空白地帯の調査」「ターゲット×悩み×解決の型」の3ステップで言語化できる
  3. ホームページのファーストビューコピーはテレビCMと別物——検索済みの人が「自分向けか」を判断する材料として書く
  4. 効果的なコピーの3パターンは「ターゲット先出し」「共感型(悩みを先に)」「根拠型(なぜ自社か)」
  5. 制作発注前にコピーの方向性を決めておかないと制作が迷走する——ターゲット・悩みのシーン・自社の答えの3点セットを先に整理する
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デザインパルカ(長崎・佐世保/全国リモート)が、届くWEBのための制作・集客のヒントをお届けします。

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