ホームページリニューアルの費用相場と「更新か作り直し」の判断基準

ホームページの「リニューアル」を検討しているなら、最初にやるべきことは費用の見積もりを取ることではありません。先に「何が問題か」を数値で確認してください。リニューアルの費用相場はコーポレートサイトで50〜150万円程度と言われていますが、更新・改修・全面作り直しのどれを選ぶかで費用は10倍以上変わるからです。
「なんとなく古い気がする」という感覚だけで動くと、デザインを新しくしても集客の結果が変わらないことがあります。見た目の古さと、集客できていないことは、原因が別です。費用を動かす前に、原因を整理することが後悔しないリニューアルの出発点になります。
この記事では、更新・改修・リニューアルの違いと費用目安、費用相場の内訳、更新か作り直しかの判断基準、そして依頼前に決めておくべき4つのことを解説します。
まず現状を数値で確認する|費用判断の前に原因を把握する

リニューアルの判断で最も多い失敗パターンは、「問題の原因が分からないまま費用をかけてしまうこと」です。デザインが新しくなっても、根本の原因が解決されていなければ、問い合わせは増えません。
ホームページが集客できていない原因は、大きく3種類に分かれます。「そもそもアクセスが集まっていない(認知・SEOの問題)」「アクセスは来ているが問い合わせページまで到達しない(導線の問題)」「問い合わせページに来ているが転換しない(フォームや信頼感の問題)」です。この3つのどれかによって、取るべき対策はまったく変わります。
デザインを一新することは「③フォームや信頼感の問題」への対策です。しかし原因が「①アクセスが少ない」なら、デザインを変えても結果は変わりません。SEO施策やコンテンツの追加が先になります。「②導線が切れている」なら、特定ページの改修のほうが全面リニューアルより費用対効果が高いケースがあります。
確認してほしいのは次の3点です。Googleアナリティクス(GA4)を開けば、10〜15分で調べられます。GA4の読み方に慣れていない場合はアクセス解析の見方で3つの重要指標の確認方法を解説しているので参考にしてください。
① 月間アクセス数(ユーザー数)
GA4の「レポート」→「概要」で確認できます。月100人以下なら、そもそも集客が足りていない状態です。この場合、リニューアルよりSEOやコンテンツの拡充が先になります。月500人以上あれば、サイト内での行動を掘り下げて確認します。
② 問い合わせページへの到達率
全アクセスのうち、問い合わせページに来ている人の割合を確認します。GA4の「ファネルデータ探索」を使うと計測できます。到達率が全体の2〜3%を下回っているなら、TOPページから問い合わせへの誘導が機能していない可能性が高いです。この場合、ナビゲーションの整理や、各ページへのCTA設置といった改修が有効です。
③ スマホからの閲覧比率
GA4の「デバイス」カテゴリで確認します。現在の一般的なサイトはスマホからのアクセスが60〜70%を占めます。スマホ比率が高いのにレイアウトが崩れている・テキストが小さすぎる場合は、改修対応が最優先です。
この3点を書き出してから制作会社に相談すると、提案の精度が大きく変わります。「うちのサイトはこういう状態で、この問題を解決したい」と伝えられると、的外れな提案になりにくい。数値が取れない場合は、GA4自体が設置されていない可能性があるので、まずその確認から始めてください。
更新・改修・リニューアルの違いと費用目安

「リニューアル」という言葉は制作会社によって指す範囲が違います。同じ言葉を使っていても、片方は部分的な修正を、もう片方は全面作り直しを想定しているケースがあります。見積もりを比較するとき、前提がずれていると、費用の差の理由が見えなくなります。
① 更新(コンテンツの差し替え)
お知らせの追加、写真の差し替え、テキストの修正など、情報のみを変える作業です。WordPressなどのCMSが導入されていれば自社で行えます。CMSがない場合は制作会社への依頼となり、1回あたり2〜5万円が目安とされています。
注意が必要なのは、この「更新依頼コスト」が積み重なっているケースです。月1〜2回の更新依頼が1年間続くと、年間24〜60万円になります。これが3〜5年続いていると、WordPress等のCMSへの移行費用(50〜80万円)を超えていることがあります。毎回の更新費用が気になっている方は、まず年間コストを計算してみてください。移行後は社内で更新できるようになるため、以後の追加費用がかからなくなります。
② 改修(機能・デザインの部分修正)
特定ページのデザイン変更、問い合わせフォームの新設、スマホ表示の崩れ修正、ページ速度の改善など、範囲を絞って対応する方法です。対象が明確なので、5〜30万円程度で対応できるケースが多いです。
「スマホで見づらい」「フォームがない」「特定のページだけデザインが古い」という具体的な問題があるなら、まず改修で解決を試みることをおすすめします。全面リニューアルの費用をかけなくても、改修で十分な効果が出ることがあります。
③ リニューアル(全面的な作り直し)
デザイン・構成・CMS・コンテンツを全面的に刷新する方法です。制作期間は2〜4か月、費用はコーポレートサイト(5〜20ページ規模)で50〜200万円が相場と言われています。目的が「会社のイメージを一新したい」「ターゲット層が変わった」「旧システムが古くなってセキュリティが不安」である場合に選ぶ手段です。
3択を最初に絞ることで、見積もりの依頼先や聞くべき内容が変わります。最初から「全面リニューアルの見積もりを取ろう」と決めてしまうと、改修で解決できた問題に余分な費用をかける結果になりかねません。
ホームページリニューアルの費用相場と見積もりの読み方

全面リニューアルの見積もりを複数の制作会社に依頼すると、同じ規模のサイトでも50万円〜200万円以上の差が出ることがあります。この差は「何が含まれているか」の違いです。安い見積もりが必ずしも得というわけではなく、含まれていない作業が後から追加費用になるケースが多い。新規制作の費用相場についてはホームページ制作の費用相場と内訳で詳しく解説していますので、リニューアルの費用比較の前提として確認してください。
主な費用内訳の目安(コーポレートサイト・5〜20ページ規模)は次のとおりです。
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| ディレクション・構成設計 | 10〜30万円 |
| デザイン(PC・スマホ両対応) | 20〜60万円 |
| コーディング・実装 | 20〜50万円 |
| CMS構築(WordPress等の導入) | 10〜30万円 |
| 旧URLのリダイレクト設定 | 5〜10万円 |
| テキスト・写真素材の用意 | 別途(依頼側で準備する前提が多い) |
合計は60〜180万円程度になります。「テキスト原稿の作成(ライティング)」「写真撮影」「SEO設定」を含めるかどうかで大きく変わるため、見積もりを比べるときは含まれる範囲を揃えることが必要です。
安い見積もりが「コーディングのみ」で、ディレクションや構成設計が含まれていないこともあります。この場合、制作が始まってから「どんなサイトにするか」を一から詰めることになり、差し戻しや追加修正が増えてトラブルになりやすい。
見積書を確認するとき、必ず聞いてほしい3点があります。「テキスト・写真素材の準備はどちらが行うか」「デザイン修正は何回まで含まれるか」「公開後の保守サポートは含まれているか、含まれるなら月額はいくらか」です。この3点が曖昧な見積もりは、完成後に追加費用が発生しやすい構造になっています。
もう一点、旧サイトから移行する際の「301リダイレクト設定」が含まれているかも確認してください。URLが変わったときにリダイレクトが設定されていないと、これまで積み上げてきたSEOの評価がリセットされる可能性があります。リニューアルのたびに検索順位が下がると感じているサイトは、このリダイレクト設定が省かれていることが多いと言われています。
更新か作り直しかの判断基準|5つのチェックポイント

更新・改修・リニューアルのどれを選ぶかは、次の5つのポイントで判断できます。複数に当てはまる場合は、最も根本的な問題に当たるものを優先してください。
① CMSが入っておらず、更新のたびに制作会社に依頼している
毎回の更新依頼費用を年間で計算してみてください。月1〜2回、1回3万円の依頼をしているなら年間36〜72万円です。これが4〜5年続いているなら、WordPress等のCMS移行(50〜80万円)の費用をすでに超えています。移行後は社内で更新できるようになり、以後の依頼費用がかからなくなるため、長期的には合理的な選択になります。
② スマホで崩れる・表示に3秒以上かかる
これは改修で対応できるケースが多いです。デザイン全体を作り直さなくても、CSS修正とプラグイン整備、画像圧縮で改善できることがあります。まず改修の見積もりを取ってから判断してください。表示速度はGoogleのPageSpeed Insightsで無料計測できます。スマホスコアが50を下回っているなら、改修の優先度は高いと考えてください。表示速度の改善の重要性についてはホームページの表示速度が遅いと静���に損をするも参考になります。
③ 会社の事業内容・ターゲットが大きく変わった
新しいサービスを追加した、ターゲット客層が変わった、代表が交代して打ち出し方を一新したい、といった場合はリニューアルが妥当です。サイト全体のコンセプトと構成から変わるため、表面的な修正では整合が取れなくなります。各ページのメッセージがバラバラになり、かえって信頼感を損なうことがあります。
④ 問い合わせページに到達しているのに転換しない
「アクセスはあって、問い合わせページにも来ているのに問い合わせが来ない」という状態なら、問題はフォームや信頼感にあります。この場合、ページ単位の改修が有効です。フォームの入力項目の絞り込み、「送信後どう対応するか」の明記、担当者の顔写真と名前の掲載など、5〜15万円程度の改修で改善できることがあります。全面リニューアルより先に試す価値があります。
⑤ 最終更新が5年以上前、またはHTMLのみでCMSが入っていない
この状態は、セキュリティリスクの観点からもWordPressへの移行を含むリニューアルを検討する時期です。旧バージョンのシステムは脆弱性を狙われやすく、SSL証明書切れも起きやすい。また、HTML固定サイトはスマホ対応改修にもコーディングが必要なため、最初からリニューアルを前提にしたほうがトータルコストを抑えられることがあります。
リニューアルを依頼する前に決める4つのこと

リニューアルの見積もりを3〜5社から取っても、依頼前に決まっていないことがあると、どの提案も正しく比べられません。提案の前提がそれぞれ違うため、「A社は安いが何が含まれているか分からない」という状況になりやすいのです。
発注する前に、次の4点を社内で先に決めておいてください。
1. 何のためのリニューアルか(目的の言語化)
「なんとなく古い」ではなく、「問い合わせ数を月〇件に増やしたい」「採用応募を増やしたい」「新サービスのページを作りたい」など、目的を1〜2個に絞ります。目的が多いと構成が散漫になり、制作費も増えます。
また、「目的」だけでなく「成功の基準」も先に決めておくと理想的です。「公開3か月後に月間問い合わせが〇件以上」という基準があると、公開後の効果測定ができます。基準がないままリニューアルすると、効果が出たか判断できず、次のアクションも取れなくなります。
2. 誰が更新するか(公開後の運用体制)
公開後に誰が更新するかを先に決めてください。「社内担当者が更新する」なら、WordPressなど編集しやすいCMSが前提になります。「制作会社に任せる」なら、保守費用を月額で最初から見積もりに含めます。
運用体制が決まっていないと、新しいサイトを作っても更新されずに放置されます。「なんとなく新しいサイトになれば誰かがやる」という状態のまま公開すると、数か月後に同じ状況を繰り返します。「公開後に誰が何をするか」は、制作会社への発注より前に社内で合意しておくべきことです。
3. 素材(テキスト・写真)の準備範囲
多くの場合、会社概要のテキストや施設写真は依頼側で用意することが前提です。写真撮影やライティングを制作会社に依頼するなら、最初から費用に含めてください。「後から追加」すると費用が加算されやすく、予算オーバーの原因になります。
また、自社の写真(社員の顔・オフィス・現場)を使うかどうかも先に決めておいてください。フリー素材と自社写真では、サイトの信頼感に大きな差が出ます。特に問い合わせにつなげることを目的にするなら、自社写真の活用は費用対効果が高い選択です。
4. 予算の上限を先に開示する
「いくらかかりますか?」と聞くだけでは、制作会社も規模感が分からず的外れな提案になりやすい。「〇〇万円以内で、優先順位を付けた提案がほしい」と最初に伝えると、予算内での最適な構成を提案してもらいやすくなります。
予算を開示することを躊躇する方もいますが、隠しても値引きにはなりません。むしろ予算を明示したほうが、不要な機能を省いた合理的な提案が返ってきます。「100万円の予算でできる最大限」は、「いくら?」と聞いたときの提案より具体的で比較しやすい。
デザインパルカでは、ご予算と現状の課題をヒアリングしたうえで、優先順位とともに提案をお伝えしています。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ|ホームページリニューアルの費用と判断基準

リニューアルで後悔しないために、最初にやるべきことは費用の見積もりを取ることではありません。「何が問題か」を数値で把握してから動くことが、費用対効果の高いリニューアルの出発点です。原因が分からないまま費用をかけると、デザインは新しくなっても問い合わせが増えない状態を繰り返します。
更新・改修・リニューアルのどれを選ぶかは、現状のアクセス数・導線・問題の性質から判断する。費用の比較はその後です。
- GA4で「月間アクセス数・問い合わせページ到達率・スマホ比率」の3点を先に確認する
- 更新(〜5万円)・改修(5〜30万円)・全面リニューアル(50〜200万円)の3択から判断する
- 見積もりは「素材準備の範囲・修正回数・公開後サポート・301リダイレクト設定」を確認する
- リニューアル依頼前に「目的・運用体制・素材範囲・予算上限」の4点を社内で先に決める
- 全面リニューアルを急ぐ前に、改修で解決できる問題かどうかを確かめる








