2026.08.20 お役立ちコラム

マーケティング設計でホームページが変わる|制作前に決める3つのこと

ホームページを公開したのに、問い合わせがほとんど来ない。そんな状況が続く会社には、共通した原因があります。サイトを「作ること」が目的になっていて、その先に何件の問い合わせを獲得したいのか、どんな人に届けたいのかを、制作より前に決めていないのです。

マーケティングから逆算したホームページとは、ターゲット・伝えるメッセージ・集客の経路を先に設計し、そこから制作物を決める考え方です。

この順番を変えるだけで、サイトの役割が根本から変わります。「きれいなサイトを作る」から「問い合わせを獲得する仕組みを作る」へ。この記事では、マーケティング設計を制作の前に行う意味と、実際にどう進めるかを現場の視点で解説します。制作会社を選ぶときのポイントも含めてまとめているので、リニューアルや新規制作を検討している方はぜひ最後まで読んでみてください。

ホームページを「作ること」が目的になると集客できない理由

グラフを見て困惑しているビジネスパーソンの様子

ホームページ制作の相談に来る方の多くは、「とにかく一度作りたい」という出発点から動き始めます。競合他社がサイトを持っている、取引先から「HPはありますか?」と聞かれた、名刺代わりに一枚欲しい——そういった状況への対処として制作を決める会社は少なくありません。動機は正当ですし、そこから始めること自体は悪くありません。

問題は、「作ること」がゴールになると、完成した日がゴール日になることです。公開後に何をすべきか、どこから人を集めるか、来た人にどんな行動をしてほしいかが定まらないまま、サイトが「お知らせ一覧と会社概要があるだけのページ」になって時間が過ぎます。

制作の現場でよく見る症状の一つが、問い合わせフォームが設置されているのに、フォームまでの動線がどこにもない状態です。サービスの説明ページはあっても、読んだ人が「次にどこへ行けばいいか」を案内できていない。これはデザインの問題ではなく、設計の問題です。「何のために作るか」が最初に決まっていなかった結果として起きます。

「公開してみてから考える」では手遅れになることがあります。骨格ができた後に「やはりターゲットを絞り直したい」「見せる情報の順番を変えたい」となると、修正コストはゼロではありません。構成を変えるなら再制作に近い作業になることもあります。だから、作る前の設計に時間を使うことが、結果的に最短距離になるのです。

マーケティング設計とは何か|ターゲット・メッセージ・経路の3つを先に決める

マーケティング計画をノートにまとめているビジネスパーソンの手元

マーケティング設計と聞くと、専門的で難しく感じるかもしれません。しかし中小企業のホームページに絞って言えば、最初に決めるべき要素は3つだけです。ターゲットメッセージ経路。この3点が決まれば、サイトの構成・コンテンツ・必要な機能が自然に決まります。

ターゲット:誰に来てほしいのか

「法人の経営者」ではなく、「従業員が10〜30人規模の製造業の社長で、ホームページのリニューアルを検討しているが予算感がわかっていない方」まで絞り込みます。ターゲットが曖昧なまま作ると、文章もデザインも「誰にでも通じる無難なもの」になり、誰にも刺さりません。ターゲットを絞ることへの怖さを感じる方は多いですが、刺さる相手が明確なほど、問い合わせの質も量も上がりやすいと言われています。

メッセージ:何を伝えるのか

サービスの説明ではなく、「読んだ人が問い合わせをしたくなる一言」を先に決めます。「費用が明確で、公開後の運用まで伴走してくれる制作会社」というメッセージを核にするなら、トップページのコピーも、サービス紹介の順序も、FAQの内容も、全部そこから逆算できます。核になるメッセージがないまま制作すると、あれもこれも載せた情報過多のページになりがちです。

経路:どこから人を連れてくるのか

サイトを公開しただけでは誰も来ません。GoogleでのSEO検索、SNSのプロフィールからの流入、名刺交換した後にURLを渡す使い方、既存客へのご案内——どれを主要経路にするかで、必要なページ数も、コンテンツの種類も変わります。「SEOで地域キーワードを狙う」なら、ブログ機能と記事の更新計画が最初から必要です。「名刺交換の後に見てもらう」なら、会社の雰囲気と代表の人柄が伝わるページを厚くする方が効果的です。

この3点を紙に書き出してから制作依頼をすると、打ち合わせの密度が上がり、修正回数が減り、完成したサイトが当初の目的にずっと近づきます。ホームページの目標設定とKPIも合わせて読むと、数値目標の立て方がより具体的になります。設計に1時間かけることで、制作の手戻りを3回分なくすイメージです。

3点の言語化は、制作会社を選ぶ評価軸にもなります。「ターゲットはこういう人で、こういうメッセージを伝えたい。主な集客経路はSEOを考えています」と伝えたとき、制作会社がどう反応するかを見てください。具体的な構成案や必要な機能を提案してくれる会社と、「わかりました、見積もりを出します」で終わる会社では、その後の成果が大きく変わります。設計書は制作物を作るためだけでなく、依頼先を選ぶためのふるいにもなります。

逆算の手順|「月に何件の問い合わせが必要か」から始める

電卓と書類を使って数字を確認しているビジネスシーン

マーケティング設計の核は「ゴールから逆算する」ことです。具体的な数字を使うことで、どのくらいの規模のサイト運用が必要なのかが見えてきます。

たとえば「月に3件の新規問い合わせを獲得したい」という目標があるとします。一般的に、問い合わせに至るコンバージョン率はホームページで1〜3%程度と言われています。月3件の問い合わせを目指すなら、月100〜300人の訪問者が必要という計算になります。

月100人の訪問者を集めるために何が必要か——ここで初めて「SEOか、広告か、SNSか」という施策が意味を持ちます。SEOで月100人を集めるには、少なくとも1〜2年かけて複数の記事を育てる必要があります。広告(リスティング広告)なら、クリック単価200〜500円として月2〜5万円程度の予算がかかります。SNS連携なら、フォロワー数とプロフィール経由の流入率を別途試算します。

この試算は、制作会社との最初の打ち合わせでできます。ところが、この計算を最初にしてくれる制作会社は多くありません。「ご予算は?」「何ページ必要ですか?」から始まる打ち合わせは、作るものを決めるだけで、なぜその構成が必要なのかの根拠が出てきません。

数字から始めると、制作の意思決定が全部変わります。「トップページとサービス紹介だけで十分か」「ブログを毎月何本書くか」「問い合わせフォームの設問をどう設計するか」。それぞれの答えが、目標の数字から逆算すると明確になります。最初に数字を置くことを恐れず、「とりあえずの目標」でも構わないので数値化してみることが、設計の第一歩です。

もう一つ重要な逆算が、制作予算です。「100万円かけてサイトを作る」と「30万円かけて作る」では、回収できる見込み期間が変わります。月3件の問い合わせを獲得し、1件あたりの受注率が30%、平均受注額が50万円だとすると、月の期待売上は約45万円です。サイトに100万円をかけた場合、数か月で回収できる計算になります。この逆算ができると、制作予算を「安ければいい」ではなく「投資として妥当か」で判断できるようになります。費用と成果の関係を先に試算することが、後悔しない発注につながります。

マーケティング設計ができる制作会社の見分け方

打ち合わせ室でパソコンを見ながら提案をしているビジネスシーン

ホームページ制作を依頼する会社を選ぶとき、「デザインのポートフォリオが好みかどうか」だけで選んでいませんか。デザインが優れていても、マーケティング設計ができない会社に頼むと、見た目はきれいだけれど成果が出ないサイトが完成します。

直し方

「最初の打ち合わせで何を聞かれるか」が判断の基準になります

確認ポイント1:目標数値を聞いてくるか

「このサイトで、月に何件くらいの問い合わせを目指していますか?」という質問をしてこない会社は、成果より制作物の納品をゴールにしている可能性があります。目標数値を聞いて初めて、サイトに何が必要かを提案できます。数値の話を嫌がる会社には注意が必要です。

確認ポイント2:集客経路の話ができるか

SEO・広告・SNS・名刺交換のどれを主にするかで、必要なサイト構成が変わります。「公開後はGoogleで自然に集客できます」という根拠のない期待をそのままにする会社ではなく、経路ごとの現実的な見立てを話してくれる会社を選びましょう。集客経路によって制作コストも変わるため、ここを明確にする会社ほど見積もりの根拠が明快です。

確認ポイント3:公開後の運用について話があるか

サイトは作って終わりではありません。ブログ記事・実績事例・料金ページの改善を継続するかどうかで、1〜2年後の集客力が大きく変わります。公開後の運用サポートや、更新しやすい管理画面の設計について初回から話せる会社かどうかが、長期パートナーとして信頼できるかの目安になります。

デザインパルカの初回相談では、この3点を必ず確認するようにしています。作るものを決める前に「何のために作るか」を一緒に整理することが、成果につながるサイト制作の最初の一歩だと考えているからです。制作費の話より先に、目標の話から始めることを大切にしています。

公開後の改善サイクルも設計に含める

タブレットにアクセス解析のグラフが表示されている様子

マーケティング設計の仕事は、公開日で終わりません。「公開後に何をするか」を先に決めておくことが、設計の一部です。これを制作前に決めておくかどうかで、サイトの寿命が変わります。

公開直後のサイトは、Googleのインデックスにまだ入っていないページが多く、アクセスはほぼゼロから始まります。ここで何もしなければ、3か月後も6か月後も同じ状態のまま時間だけが経過します。「公開したけど何もしていない」というサイトが世の中にたくさんある理由がここにあります。

改善サイクルの基本は「見る→仮説を立てる→直す」の繰り返しです。Googleアナリティクスでどのページがよく見られているか、どのページで離脱が多いかを月1回チェックし、「このページの最後に問い合わせボタンを追加する」「この説明文をわかりやすく書き直す」といった小さな改善を積み重ねます。1回の改善で劇的な変化は起きませんが、半年続けると公開直後と比べて別物のサイトになります。

月1回のチェックで見るべき指標は3つです。GA4の具体的な読み方についてはアクセス解析の見方で詳しく解説しています。「訪問者数(サイト全体のアクセス量)」「問い合わせページへの到達率(来た人のうち何割がフォームまで進むか)」「フォームの離脱率(フォームを開いたうち何割が送信まで完了するか)」。この3つを見るだけで、どこに問題があるかが見えてきます。訪問者数が少なければ集客(SEOや広告)を見直す。フォームへの到達率が低ければ動線設計を改善する。フォームの離脱率が高ければ設問の数や内容を見直す。シンプルな見取り図ですが、これを持っているかどうかで改善の行動が変わります。

設計段階で「誰が・いつ・何を確認するか」を決めておくと、公開後に「更新したいけど制作会社に頼むと費用がかかる」「社内に担当者がいない」という詰まりが起きにくくなります。月1回30分のチェック時間を担当者のカレンダーに入れておくだけで、継続率が大きく変わります。制作を依頼する前に、公開後の運用体制についても確認しておくことをお勧めします。

まとめ|ホームページは「作る」ではなく「設計する」もの

チームがパソコンを囲んでプロジェクト完成を確認している様子

ホームページを「デザインして、コーディングして、公開する」という手順で考えると、どうしても制作物の完成がゴールになります。しかし本当のゴールは「問い合わせが来ること」であり、そのために何が必要かを逆算して設計するのがマーケティング設計の本質です。

  1. ターゲット・メッセージ・集客経路の3点を、制作より前に決める
  2. 「月に何件の問い合わせが必要か」という数字から逆算して、サイトの構成と施策を決める
  3. マーケティング設計ができる制作会社かどうかは、最初の打ち合わせで何を聞かれるかでわかる
  4. 公開後の改善サイクル(月1回のチェックと小改善)も、設計の一部として先に決めておく

「作るだけ」の制作では、サイトは時間とともに古びていきます。目標・設計・改善の3段階をセットで考えることが、ホームページを本当の営業ツールに変える方法です。「まだ何も決まっていない」という段階でも、まずターゲットとゴールの数字だけでも書き出してみることが、最初の一歩になります。制作のコンセプト設計について体系的に学びたい場合はホームページ制作のポイント|コンセプト設計も参考になります。

デザインパルカでは、制作の前にマーケティングの設計から一緒に取り組んでいます。「どこから手をつければいいかわからない」という状態からのご相談も歓迎しています。

この記事を書いた人
ootaka
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デザインパルカ(長崎・佐世保/全国リモート)が、届くWEBのための制作・集客のヒントをお届けします。

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