2026.08.26 お役立ちコラム

中小企業のWordPress向き不向き|選ぶ前に決める3つのこと

「WordPressにすれば間違いない」と言われてWordPressで作ったものの、更新できずに放置してしまっているホームページは少なくありません。CMSの選択ミスは、完成後の運用コストと集客成果に直接はね返ってくる。向き不向きは機能の差より「誰が、どれくらいの頻度で更新するか」で決まります。この記事では、WordPress・Wix・STUDIOそれぞれが向いている会社の特徴と、選ぶ前に必ず決めておくべき1点を整理します。

WordPressはなぜ中小企業に選ばれるのか

WordPressが多くの中小企業サイトに使われている理由を示すPC作業イメージ

WordPressが世界のWebサイトの40%以上に使われているのは、オープンソースで無料、かつ世界中に開発者コミュニティがあるからです。テーマ(デザインのテンプレート)やプラグイン(機能の追加部品)が豊富で、ブログ・コーポレートサイト・ECまで幅広く対応できます。

SEOの面でも有利とされています。Googleの検索エンジンが正しくインデックスしやすい構造で、SEO対応プラグインを使えばtitle・meta description・XMLサイトマップを一元管理できます。記事を積み上げるほど検索に露出しやすくなる仕組みとの相性も良いため、情報発信で集客を狙う会社には特に向いています。

ただし「使える機能が多い」ことと「あなたの会社に合っている」は別の話です。機能が多いほど覚えることも管理することも増える。それが向き不向きを分ける最大の理由です。「制作会社がWordPressを得意としているから」という理由だけで選ぶのは、使う側にとってリスクになる場合があります。

WordPressが向いている会社の3つの特徴

WordPressに適した会社の特徴を説明するオフィス会議のイメージ

特徴1: 社内にブログや更新を担当する人がいる

WordPressは更新機能が充実しているCMSです。お知らせ・ブログ・実績・スタッフ紹介など、頻繁にページを追加・変更する会社なら、その豊富な機能が活きます。担当者がWordPressの管理画面に慣れれば、制作会社に頼まなくてもほとんどの更新ができるようになります。

月に1〜2本の記事を書いてSEOを強化したい、商品ラインナップを自社で更新したい、採用情報をすぐに差し替えたい、といった目的には特に向いています。「社内に更新担当者がいる」または「これから育てられる」という前提があってこそ、WordPressの機能は意味を持ちます。

特徴2: 中長期でサイトを育てていく予定がある

WordPressはコンテンツを積み上げることで価値が増すCMSです。ブログ記事・事例紹介・FAQなど、コンテンツが増えるほどSEO評価が上がり、問い合わせ件数も増えていきます。「3年・5年と情報発信を続けて、検索から集客したい」という会社には特に向いています。

記事1本の追加・カテゴリ整理・内部リンクの管理も、WordPressなら管理画面から完結します。外部ツールに依存せず、コンテンツ資産をすべて自社のサーバーに持てるのも大きな利点です。プラットフォームの仕様変更に左右されにくい安定した資産として機能します。

特徴3: 将来的にカスタマイズや機能追加を予定している

WixやSTUDIOは直感的に使えますが、カスタマイズに限界があります。会員機能・予約フォーム・多言語対応・外部システム連携など、将来的に機能を追加する可能性がある会社には、拡張性の高いWordPressが向いています。

制作会社が変わっても、WordPressの基本構造は共通しているため、後から別の開発者が改修しやすいという利点もあります。ただし、過度なカスタマイズがされていると引き継ぎが難しくなる点には注意が必要で、依頼先を選ぶ際に「標準的な構造で作ってもらえるか」を確認することをお勧めします。

WordPressが向いていない会社の3つのサイン

WordPressが向いていない会社のパターンを示すオフィスイメージ

では逆に、WordPressが向いていない会社とはどのようなケースでしょうか。現場でよく見るパターンを3つ挙げます。

サイン1: 更新する人が社内で決まっていない

「作ったら誰かが更新するでしょ」という前提でWordPressを選ぶと、公開後に困ります。WordPressは機能が多い分、管理画面の操作に慣れるまでに時間がかかります。担当者が決まっていない・ITツールの操作が得意な人がいない場合、「触れないまま放置されるホームページ」ができあがります。

放置されたWordPressは別のリスクも生みます。プラグインやWordPress本体のアップデートを長期間放置すると、セキュリティの脆弱性が蓄積されます。ハッキングされてスパムサイトに改ざんされるケースも実際に起きています。「触れないから更新しない」が積み重なると、セキュリティリスクに直結するのです。WEB制作をフリーランスに依頼する際の保守体制の確認方法でも、同様のリスクについて詳しく解説しています。

「管理は制作会社に任せればいい」という選択肢もありますが、その場合は月次の保守費用が継続的に発生します。自社更新を前提にWordPressを選んだのに、結果として制作会社への依頼費用がかかり続ける構造は、避けたいパターンです。

サイン2: 更新頻度が低く、ページ数も少ない

会社案内・サービス紹介・問い合わせフォームの3〜5ページで十分、更新も年に数回あれば十分という会社であれば、WordPressの機能は持て余します。プラグインの管理・テーマのアップデート・バックアップ対応など、維持に必要な手間がコンテンツ更新の頻度に見合わなくなります。

こういった会社には、運用の手軽さを優先したWixやSTUDIOのほうが現実的です。月額費用はかかりますが、セキュリティ管理・バックアップ・サーバー保守がサービスに含まれているため、管理の手間が大幅に減ります。

サイン3: 目的がシンプルなランディングページや特設ページ

採用専用の1ページ・イベント告知の特設ページ・キャンペーンのLPなど、目的が明確で単機能のサイトにWordPressは重すぎます。STUDIOのようなノーコードツールや専用のLPツールを使ったほうが、制作スピードも運用コストも低くなります。

「本番のホームページはすでにある。今回は採用専用のページだけ作りたい」という場合にWordPressを追加で導入するメリットはほぼありません。目的ごとに最適なツールを選ぶほうが、コストと運用負担の両面で優れています。

WixやSTUDIOを選んだほうがいい場面

WixやSTUDIOが適したシーンを示すデザインツール操作のイメージ

WixとSTUDIOはそれぞれ得意な場面が異なります。どちらも「作る・公開する・維持する」の全体コストを下げることが強みです。

Wixが向いている会社

月額費用を払うことで、サーバー・ドメイン・セキュリティ管理のほぼすべてが一元化されます。「ホームページを作って公開するまでのハードル」が低く、IT担当者がいない会社でも自力で始めやすいのが特徴です。

デザインのテンプレートも豊富で、ドラッグ&ドロップで直感的に編集できます。更新頻度は高くないが、自社でページを少し触りたいという会社に向いています。ただし、後からWordPressへ移行する場合にコンテンツの移行が手間になる点と、デザインの自由度にある程度の限界がある点は理解しておくべきです。

STUDIOが向いている会社

デザインにこだわりたいが、コーディングはしたくないという会社に向いています。STUDIOは日本製のノーコードCMSで、動きのあるUI・洗練されたグラフィックを視覚的に作れます。ブランドの世界観を大切にしたいクリエイター・デザイン事務所・アパレルブランドなどに特に向いています。

ただし、プラグインによる機能拡張はほぼできないため、将来的に会員機能や複雑なフォームが必要になると限界を迎えます。「今の用途に絞ったシンプルな作り」で使い続けることが前提になります。

両者に共通する注意点

WixもSTUDIOも、プラットフォームのサービスが終了したり、料金体系が変わったりするリスクがあります。長期的にコンテンツ資産を自社で持ちたい場合は、この「プラットフォーム依存リスク」を念頭に置いておく必要があります。

3つのCMSを目的別に整理する

どのCMSを選ぶかは、サイトで何を実現したいかによって変わります。以下を目安にしてください。

  • 情報発信・SEOで集客したい(コンテンツを積み上げる)→ WordPress
  • 手軽に公開してとりあえず会社情報を載せたい→ Wix
  • ブランドの世界観を重視したデザインのサイトを作りたい→ STUDIO
  • 単発のLP・採用ページ・イベント告知ページが欲しい→ STUDIOまたは専用LPツール

注意すべきは「SEOに強いから」という理由だけでWordPressを選ぶパターンです。SEOで成果を出すには、記事を定期的に追加し続けることが前提です。その体制がない会社がWordPressを選んでも、更新されない静的なサイトができあがるだけです。SEOの効果はWordPressという道具の性能ではなく、継続的に記事を書く運用体制から生まれます。ホームページを自作するか制作会社に依頼するかの判断基準も、CMS選定と合わせて確認しておくことをおすすめします。

費用の面では、Wixは月額約1,000〜3,000円程度(プランによる)、STUDIOも同等の月額費用で使えます。WordPressはCMS自体は無料ですが、サーバー代(月額1,000〜3,000円程度)・ドメイン代・場合によってはセキュリティプラグインの有料版(年額数千円〜)が別にかかります。どちらが安いかは使い方次第ですが、「総コスト」で比べるときは制作費と保守費を合わせて検討する必要があります。

「誰が更新するか」を先に決めるとCMSの選択肢が絞られる

更新担当者を先に決める重要性を示すチームミーティングのイメージ

CMS選定でよく起きる失敗は、機能の比較から入ることです。「WordPressはSEOに強い」「WixはUIがきれい」という情報を集めて比較していると、本当に大事な問いを後回しにしてしまいます。

その問いとは、「公開後に誰が・何を・どれくらいの頻度で更新するか」です。

ここを先に決めると、CMSの答えがかなり絞られます。

更新体制でCMSを絞る3つの問い
  1. 社内で更新担当者を決められるか(決まっている / まだいない)
  2. 月に何回くらい更新するか(週1以上 / 月1〜2回 / ほぼなし)
  3. 将来的に機能を追加・拡張する予定があるか(あり / 現状維持でよい)

「担当者がいる × 週1以上 × 拡張予定あり」ならWordPressが最有力候補です。「担当者がいない × ほぼなし × 現状維持でよい」なら、WixかSTUDIOか、制作会社にフルで保守を任せるパターンを検討すべきです。

この問いへの答えが出る前にCMSを決めると、「制作会社が使い慣れているから」という理由でWordPressを選ばされるケースが起きます。制作する側の都合でCMSが決まるのは、長期的に見て使う側のコスト負担につながることがあります。

制作会社に相談する前に、この3点を社内で確認しておくと、打ち合わせが格段にスムーズになります。また、「体制がまだ決まっていない」という状況を正直に伝えても丁寧に対応してくれる制作会社の方が、長期的な付き合いができます。

「体制なし × WordPress」が生む具体的なコスト

たとえば、従業員10名の製造業の会社がWordPressでサイトを作ったとします。担当者は決まっていないが「誰でも触れる」という前提で制作しました。

公開後3か月でプラグインのアップデート通知が来ましたが、誰も作業しませんでした。半年後、テーマの更新をしないまま放置したことでデザインが崩れ、修正を制作会社に依頼したところ3万円の費用が発生しました。さらに1年後、未更新のプラグインを通じたサイト改ざんが起き、復旧に10万円以上かかりました。

この事例は珍しくありません。「触れないWordPress」を作ることで発生するリスクと費用を、最初から計算に入れておく必要があります。Wixであれば、これらの保守作業はサービス側が担うため、この種のトラブルは原理的に起きません。WordPressの強みを活かせる体制がないなら、Wixで確実に管理できるほうが長期コストは低くなります。

デザインパルカでは、CMSの提案前に更新体制のヒアリングを必ず行っています。「何を選べばいいかわからない」という段階からでも、一緒に整理できます。

まとめ|WordPressかどうかより「公開後の体制」を先に設計する

公開後の運用体制を先に設計することの重要性を示すオフィスイメージ

「WordPressかWixか」という問いの立て方よりも、「公開後に誰がどう運用するか」を先に設計することが、長期的なコストと集客成果に大きく影響します。CMSは手段であり、目的は問い合わせを増やし続けることです。

  1. WordPressは情報発信・SEO・機能拡張に向いているが、社内担当者がいない・更新頻度が低い会社には重すぎる場合がある
  2. WixやSTUDIOは運用の手軽さが強み。ただしカスタマイズの限界とプラットフォーム依存リスクを理解して選ぶ
  3. CMS選定で最初に確認すべきは「誰が・何を・どれくらいの頻度で更新するか」という体制の3点
  4. プラグインや本体の更新放置はセキュリティリスクに直結するため、触れないWordPressを作らない
  5. 制作会社選びの際は、CMSの種類より「更新体制のヒアリングをしてくれるか」を確認する

デザインパルカは、CMSの選定から集客設計まで、中小企業の実態に合わせて提案しています。「何を選べばいいかわからない」「今のサイトを見直したい」という段階からお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
ootaka
ootaka

デザインパルカ(長崎・佐世保/全国リモート)が、届くWEBのための制作・集客のヒントをお届けします。

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